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パソコン内のファイル整理をしていたら、私が自然保護活動に関わろうと思い立った(「背中を押してくれた」)ファイルを見つけました。それは故筑紫哲也さんの「ニュース23」のなかで、倉本聡さんが「詩」という形で紹介されたものでした。その「詩」が気になった私はインターネットで検索し、ある国際会議の基調講演であることがわかりました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、紹介させてください。
1992年 5月3日
モントリオール国際環境会議
基調講演 インド代表 サンダルラル・バフグナ師
(枯れ木のような、インドの老人が穏やかに話し始めた)
私たちは「チプコ」とよばれている
チプコというのは「抱きつく」という意味
私たちは木が伐られるとき 伐られないように木に抱きつく
そして木と共に実際に伐られすでに二百人の仲間が死んだ
今、私たちの森にあなた方の国から
沢山の人が来て
沢山の木を伐り
沢山のダムを作ろうとしている
ダムを作ると森が沈み私たちはこれ以上、生きていけない
こういう事が行われないように
私たち十万人の「チプコ」は
一緒に水に沈む覚悟をした
はっきり言う よく聞いて欲しい
私たちは決して貧しくない
私たちは豊かだ 私たちは何も欲しくない
ダムも 電気も お金も
あなた方は変わった
あなた方は経済という宗教にとりつかれてしまった
あなた方の神様はお金 儀式は開発 生贄は地球
あなた方の神様からの贈り物は飢えと公害と戦争
私たちは開発を望んでいない
開発は自然を殺すこと
一時の富をもたらすが永遠の生活と幸せを失う
私たちは幸せを求めている
それには少しの土地と 少しの水 少しの食べ物で充分だ
幸せはお城から来るのではなく 自然の中に既にある
悩みは欲の中にあり 幸せとは欲を捨てること
あなた方はどうしてそんな当たり前のことを忘れてしまったのか
あなた方はこれからどこへ行くのか
Yes to life! No to death!
この演説は非常に感動を呼んだ。この人はダム開発に反対し45日間の服役で衰弱していたが、穏やかな笑顔が印象的だった。